大学院生のアルバイトとしてよく聞くのが、家庭教師や非常勤講師などの教育系のお仕事。筆者も経験があるのですが、準備の大変さや勤務時間に融通が効かないことなどを考えるとなかなか大変な仕事です。
そんな大学院生の副業の有力な選択肢に、「フルリモートのIT/データサイエンティストの有償インターン」があります。
コロナ禍によってIT企業のリモートワークが進み、現在は多くの企業がリモートでの長期インターンを受け入れています。業種もAI/データサイエンスやweb開発など多岐に渡り、求めるスキルの幅も様々。
・リモートなので研究と両立しやすい
・学んだスキルを研究に活用することも可能
・民間企業での経験でキャリア選択の幅を広げる
上記のようなメリットは多くの大学院生や若手研究者の方々にとって魅力なのではないでしょうか?
本日は、そんなフルリモートのインターンを実施している、北京大学発のIT企業であるHOUSEIの阿南さんにお話を伺いました!
HOUSEIってどんな会社?
早速ですが、HOUSEIってどんな会社なんですか?
サービスには幅があるのですが、受諾でシステム開発をしたり、自社でクラウドサービスの開発を行ったりしています。
Twitterを拝見し、「北京大学をルーツに持つ日本のIT企業!」というのが珍しいな、と思いました。大学との共同研究なども行なっているんですか?
最近では、北京大よりも武漢大学や華中科技大学との連携が盛んです。数学・情報系の学科と、主にAIや機械学習の領域で共同研究を進めています。今後は日本の大学とも連携を深めていきたいと思います。
AIや機械学習では具体的にどんなことをしているんですか?
画像処理を用いた顔認証や工業検測や、自然言語処理を用いたチャットボットなど、こちらも幅広いですね。面白いところでは、スポーツ新聞の競馬予想に載る、競馬予想のAIを作っていたりもします。
競馬予想AI、確かに面白そうです。笑 社風としてはどんな特徴があるんですか?
現在も社員の30%が中国籍なので、国籍の異なる多様なメンバーが在籍しています。企業文化としては「和而不同(和して同せず)」を掲げており、異なる専門性を持つ人がそれぞれ専門性を活かしながら協業できることを重視しています。
中国らしいイベントとしては餃子パーティーをやっていたんですが、コロナ以降できていないです。
IT企業が「論語」の引用をするのはかなり渋いですね!「多様なメンバー」とのことですが、エンジニアは数学や情報系以外からも採用しているんですか?
はい、ニワトリの味覚を研究していた人や醸造学科で微生物の研究をしていた人、また経済学部など文系出身の方もいます。あとは数学系の博士を修了してから、5年近くの高専での非常勤講師を経て弊社に参加した方など、専門性だけでなく経歴もいろんな人がいます。
それはすごい!働きながらエンジニアリングやAIについて学びたい方は多そうです。インターンでは実際にどんなことが出来るんでしょう?
それに関しては、実際にインターンから入社した牧嶋さんに喋ってもらいましょう。牧嶋さんは去年大学院を卒業し、内定が出てから入社までインターンとして参加してもらいました。ちなみに、HOUSEIでは内定者もそうでない方も、同じ扱いでインターンの業務に取り組んでもらっています。
HOUSEIのインターンについて
牧嶋さん、よろしくです!元々、大学時代は何を学んでいたんですか?
僕は情報系の大学院で、分割表に対する数理的アプローチからの解析など、古典的な統計学の研究をしていました。
そのような背景だとデータサイエンティストなども志望先としてあり得そうですが、どのような職種志望で就活していたんですか?
趣味でwebの開発をしていたので、第一志望としてはweb系のエンジニアとしての就職を考えていました。データサイエンス系は第二志望という感じですね。
HOUSEIへの就職を決めた理由としてはどのあたりなのでしょう?
まだそこまで規模の大きい会社ではないので、色々な開発経験を縦断的にできて、裁量が大きそうだな、と思ったのが大きな理由ですね。実際、かなりやりたいようにやらせてもらっています。
インターンではどんなことをするんですか?
インターンのメンバー5人でチームを組んで、与えられた課題に対して一からプロダクトを作る、というものです。僕らの場合は医療系の予約サービスの開発を行いました。
インターンだけのメンバーでいきなりチーム開発をするのはすごく大変そうですが、うまくいきましたか?
そもそもメンバーごとにインターンに使える時間や、作業する時間帯が違うので結構難しかったですね。5人の中で僕を含めた3人がメインで進めていました。あとこれは学生エンジニアあるあるだと思うのですが、「プログラミング経験自体はあるがチーム開発は未経験」という方ばかりだったのでそこも苦労したかもしれません。
その辺りは社員さんのサポートが入るんですか?
最初の立ち上げの時期は色々と面倒を見てもらいましたね。例えばバックエンドはGo言語で開発をしたのですが、技術選定に関してはかなり社員の方と議論しました。一方、本格的にプロジェクトが始まってからは、ほぼインターンに任せてもらっていました。
なので、定例会にはなるべく全員参加するように調整したり、チームでガントチャートを作成してインターン期間の終了までにどこまでできるか検討するなど、いわゆるプロジェクトマネジメントの部分からやっていた感じです。
それはすごい!大変そうですが、楽しそうですね。開発は予定通り進みました?
全然進まなかったです!笑 期間中にはほぼバックエンドの開発のみで終わってしまい、フロントエンドまでは手が回らなかったです。その辺りも含めて、良い経験でした。
HOUSEIでのインターンの率直な感想を教えてもらえますか?
ひたすら楽しかったですね・・・!修士論文と並行して進めていたんですが、インターンの仕事がやりたくてしょうがなかったです笑 あと、やはりゼロから自分達で作り上げたので、プロダクトへの愛着もすごく生まれました。
インターンで作っていたプロダクトはその後どうなっているんですか?
入社後も引き続きインターンメンバー中心で開発中です。仕事自体はインターン時代と大きく変わっていないのですが、単純にインターン時代より開発に時間が割けるので、すごく楽しいです。
HOUSEIでは最新の技術を取り入れやすい新しいプロジェクトが多数あり、新しい技術を学び続けられることは大きな魅力だと思っています!
HOUSEIに応募する
いかがでしたでしょうか。
大学院は基本的に「論文出なければ成果ゼロ」という厳しい世界ですが、そんな中でインターンにおいてゼロから一つのプロダクト作成を進め、日々開発の進捗を実感するのは精神衛生上も良いのではないでしょうか?
HOUSEIでは、完全リモートの長期インターンシップを募集しており、大学院生や若手研究者も積極歓迎中とのことです。
少しでも気になった方は、カジュアルにお話を聞いてみるのは如何でしょうか!
・ゼロベースで一つのプロダクト作成を進めることができる
・技術選定の自由度が高い
・専門分野/経歴/国籍を問わない多様なメンバーが在籍