[2022/1/29]tayo conference vol.2 virology オンライン要旨集

大会長挨拶

コロナ禍において、ウイルス関連の研究にかつてないほど注目が集まっております。

しかし、そもそも生命科学分野においてはコロナ禍前からかなり盛り上がっていた分野。

その理由の一つは、多様性です。

多くの生命が持つ2本鎖DNA以外に、1本鎖 DNA、1本鎖RNA 、2本鎖RNAなど、ウイルスはゲノムの構造自体が非常に多様です。さらに原核生物並みのゲノムサイズを持つ巨大ウイルスや、カプシドの殻を持たないウイルスなども発見されています。

生命科学が多様性を研究する学問だとすれば、ウイルスは生命科学における最もチャレンジングな研究対象の一つといえるでしょう。動物の体内や自然環境中のあらゆるVirusを網羅的に解析する”Virome“と呼ばれる分野の発展に伴い、多様なウイルスの情報が現在急速に蓄積されています。

病原体としてのウイルスだけでなく、多様なウイルスの生命現象について考える。
このような研究を国内で牽引したのが、新学術領域「ネオウイルス学」です。

…そこで私たちは、ウイルスの機能メカニズムをより深く追求し、生物の生命活動や生態系におよぼす影響、自然界におけるウイルスの存在意義を解明する、新しいプロジェクトを2016年に立ち上げました。それが「ネオウイルス学」です。


河岡義裕編「ネオウイルス学」 (集英社新書, 2021)

縁あって2019年のネオウイルス学のミーティングは私も参加したのですが、これがめちゃくちゃ楽しかった。
「ウイルス学こそが生命科学の最先端だ!」という活気に満ち溢れ、海洋細菌が専門の私のような門外漢もウェルカムな雰囲気。
若手の勢いもあり、みんなすごく楽しそうに夜通し研究の話をしていました。

その矢先のコロナ禍。佐藤佳先生や古瀬先生を初め、多くのウイルス研究者をメディアで見るようになりました。

しかし、ウイルス学に注目が集まっているとはいえ、

「ウイルス学最高!生命科学の最前線!みんなウイルスやろうぜ!!」

・・・みたいなハッピーな話には、当然あんまりなりません。

(どんな話になってるかは、以下の記事をご参照ください)

本イベントでは、「ネオウイルス学」からスピンアウトした「ウイルス学若手ネットワーク」の協力のもと、ウイルス研究に関わる人たちの熱量や業界の雰囲気を伝えることで、ウイルス研究の面白さを伝えられればと思っております

大学院進学を考えている方々の研究室選択の一助になればとても嬉しいです!

また、直近で大学院進学を考えていなくとも、ウイルス研究に興味のあるすべての方々のご参加を歓迎いたします。学会とか若手会は参加のハードルが高いと思うので、もう少しカジュアルに研究者と交流できる場にしたいと思っております。

学生参加は無料ですので、少しでも気になるテーマがあればお気軽に参加登録をお願いいたします!

ざっくりこんな感じの人にも来てほしいな〜 という図

VR空間 MPUF XRCC

本イベントの参加者は、VR空間において日本全国の先生のお話を聞くことができます。

VR空間はブラウザベースで、アプリインストールやVRゴーグルなど不要でどなたでもお手持ちのPCからご参加いただけます。

自分好みにアバターをカスタマイズすることも可能です!

タイムテーブル

2022/1/29 (土曜)

12:30
会場オープン

13:00-13:30
開会挨拶

13:30-14:00
オープニング講演 – ウイルス学への導入(ウイルス若手ネットワーク)

14:00-15:00
VR空間での研究室説明会(前半)

15:00-16:00
VR空間での研究室説明会(後半)

16:00-16:30
VR空間での若手研究者ポスター発表

16:30-16:45
休憩

16:45-17:00
スポンサードセッション(Lab BRAINS by アズワン)

17:00-17:50
招待講演: 東京大学医科学研究所准教授 佐藤佳先生

18:00-
懇親会 at VR空間

VR空間での研究室説明会(前半)

第1会場   東京大学 佐藤佳 先生 (招待講演)

新型コロナウイルス感染症を含めた、
新興ウイルス感染症に関する基礎研究をしませんか?

当研究室では、「システムウイルス学」の立場から、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を含めた新興ウイルス感染症に関する基礎研究を行っています。

「システムウイルス学」とは、実験ウイルス学を基軸に、バイオインフォマティクスや分子進化学、分子系統学、古生物学、数理科学などの科学領域の研究手法を融合させることで、「ウイルス」をさまざまな視点から総合的に理解するための新しい学問です。 当研究室では、ウイルスと宿主の関係、あるいは、ウイルス感染を摂動とする事象を、 ・共存する「相生関係」と敵対する「相克関係」 ・過去、現在、未来という進化的な時間軸 ・分子メカニズムというミクロな視点と、流行・伝播というマクロな視点 で捉え、それらの多面的・包括的な理解を目指します。

第2会場   国立感染症研究所 渡士幸一先生

ウイルス感染を理解し、制御する

いらっしゃいませ! こちらは、国立感染症研究所 治療薬・ワクチン開発研究センター 治療薬開発部門 ウイルスグループ(取りまとめ:渡士 幸一 治療薬開発総括研究官)のご紹介です。

ー なにを研究していますか? ー  

生体(宿主)と異物(ウイルス)の相互作用が織りなす自然現象(「ウイルス感染現象」)を研究しています。感染現象の1) 観察、2) 理解だけでなく、3) 予測、4) 制御に関する研究を通して、ウイルス感染のメカニズムとポテンシャルを科学的言語で説明し、社会課題の解決を目指します。対象は、現在問題になっているウイルス、今後問題になり得るウイルスとして、血液伝播性(B型、C型、D型)肝炎ウイルス、コロナウイルス、デングウイルス、ジカウイルスなどを扱っていますが、対象ウイルスは課題に応じてその都度選択できます。

第3会場   高知大学 長﨑慶三先生

海洋医学の扉が今開かれる

海でもいい、池でもいい。天然の水をひとすくい。
その小さなコップの中に、数十億から数百億個もの「ウイルス」が浮遊しているという話を聞くと、驚かれる方も多いのではないでしょうか。
水圏環境中には、膨大な量のウイルスが存在します。

では彼らが果たす役割は何なのか?彼らがその宿主を攻撃するのなら、なぜ宿主はウイルス感染によって絶滅しないのでしょう?

そもそも何故ウイルスは存在するのか? 彼らの存在意義は何なのか?

水の中のナノワールドはたくさんの謎に満ちています。

長﨑研究室(Team Aqua-Virus)は、水圏ウイルス研究を巡る謎に挑む集団です。

研究分野(2022)
・新規な海洋ウイルス単離技術の開発
・ウイルス由来糖鎖認識分子の創薬応用
・原生生物ウイルスライブラリーの構築

Dr.ニャガサキのゆるふわウイルス入門も教育評論社より好評発売中!

第4会場   北海道大学 松野啓太先生

地球生ウイルス探しの旅の仲間を募集しています

研究者1名(松野啓太講師)、スタッフ2名(2022年1月現在)のスタートしたばかりの小さなラボです。

マダニが媒介するブニヤウイルスを中心に研究をしています。2021年にエゾウイルス発見の論文で少し話題になったので、ご存知の方もいるかもしれません。 マダニは、吸血の際にウイルス・細菌・原虫といった、さまざまな病原体を媒介する節足動物です(マダニを見たことがない方は、ぜひ当ラボホームページの写真でマダニを探してみてください)。近年のシーケンス技術の発展によって、マダニ中の多種多様な微生物叢が明らかになってきましたが、それでもまだ未知のウイルスが次々と見つかっています。エゾウイルスもその一つです。マダニの中に潜み、私たち人類の生活を脅かしているウイルスを見つけ出し、そのすべてを解き明かすのが、当ラボのゴールです。

ウイルス探しの旅は長い道のりです。野外でマダニを採集するところから始まり、ウイルス遺伝子の検出、分離培養、病原性や抗原性の解析、各ウイルスタンパク質の機能解析・・・自分で発見したウイルスがどんなやつなのか、調べ尽くしても疑問は尽きません。大学院に進学して、一緒にウイルス探し、しませんか。
もちろんウイルス探しだけでなく、既知の病原ウイルスの研究もしています。当ラボで発見したエゾウイルスや、同じダニ媒介性ブニヤウイルスの重症熱性血小板減少症ウイルス(SFTSウイルス)などなど・・・最近はG2P-Japanの元でコロナウイルスの研究にも参加しています。フィールドから遺伝子まで、ウイルスのすべてを。

第5会場   岡山大学 本田知之先生

一緒にウイルスを使って生命科学研究をしてみませんか?

ウイルスは最も細胞を理解し、数少ない遺伝子産物で細胞機能を操作しています。私たちは、ウイルスの精緻な営みを詳細に理解することで、様々な生命現象の原理を解明しようとしています。知り得た事実をうまく利用し、ウイルス感染症の治療薬の探索、ウイルスベクターの開発、ウイルスを用いた細胞機能の制御などの研究・開発を進めています。現在の研究対象は 、宿主に長期間寄生するタイプのウイルスです。具体的には、LINE-1などのヒトレトロトランスポゾンやボルナ病ウイルス、B型肝炎ウイルス、ヒトヘルペスウイルス6型、7型、カポジ肉腫関連ヘルペスウイルスなどのウイルスです。

研究室の様子については、以下のページをご覧ください。

HP: http://www.okayama-u.ac.jp/user/virology/index.html

第6会場   北海道大学 福原崇介先生

面白いと思えるウイルス学研究を一緒にやりませんか?

新型コロナウイルスのパンデミックの中で自分たちができることを考えました。実際にできたことは、自分達がこれまでに積み上げてきたことに立脚した新規技術開発でした。これまでに、私たちは肝炎ウイルスやフラビウイルスで人工的に組換えウイルスを作製して、それを用いた研究を行ってきました。この技術は新型コロナウイルスにも応用でき、今は様々な方向の研究に利用しています。
 また、以前より肝炎ウイルスやフラビウイルスの研究を推進していますが、特徴的なのは臨床の先生方と共同研究を進めていることが特徴の1つです。ウイルス学の基礎研究から臨床検体や臨床情報を用いた臨床研究を横断的に行っています。
 自身の研究室内にBSL3実験室を保有していることも特徴の1つです。新型コロナウイルスを含めたP3病原体を実験するのに最適な研究室だと自負しています。

第7会場   大阪大学 田鍬修平先生

【ムーンショットプロジェクト:宿主の応答からウイルスを科学する】
感染症総合教育研究拠点(CiDER)で月、狙撃してみませんか?

ゆくウイルスは絶えずして、しかももとのウイルスにあらず。 ゲノムに浮かぶ変異はかつ消えかつ結びて久しくとどまるためしなし。
ウイルス制御学グループでは、様々なウイルスにより引き起こされる感染症の病原性発現に関与するウイルスと宿主の相互作用を包括的に理解すべく研究を進めています。得られた研究成果をもとに、新規治療薬や予防法を開発し、ウイルス感染症の制圧を目指します。

【ウイルスと宿主の相互作用ネットワークの意義を明らかにする】
 気候が変動し、ヒトの活動範囲が急拡大する現代社会においては、新興・再興感染症が幾度となく発生し、社会や経済に大きなダメージを与えています。しかしながら、新型コロナウイルスのパンデミックでも明らかな様に、新興・再興感染症の出現予測は難しく、制御法の開発は後手に回らざるを得ません。本研究室では、ウイルス感染症の発症機序を、ウイルスと宿主の相互作用を基に包括的に理解し、ウイルス感染症に対する治療法や予防法を先制的に準備できる様に研究を進めます。

【ウイルス研究のためのツール開発】
 ウイルスの性状解析や予防治療法の開発には、ウイルスの感染性を簡便に定量できるツールが必要です。本研究室では、各種RNAウイルスを対象に、感染性cDNAクローンの作製、毒性の強いウイルスをBSL3などの特殊な施設なしでも研究可能なシュードタイプウイルスやウイルス様粒子の作製系を開発し、研究コミュニティに貢献します。

第8会場   宮崎大学 齊藤暁先生

【宮崎大学・獣医微生物学研究室】
獣医学の視点でウイルス感染症と向き合う

当研究室は、岡林環樹教授、齊藤暁准教授で運営しています。 獣医学の視点を活かし、人獣共通感染症、産業動物感染症、ヒト感染症の研究に取り組んでいます。 主な研究プロジェクトは以下のとおりです。

<岡林グループ>
プロジェクト1:身近な致死性人獣共通感染症「重症熱性血小板減少症候群」に関する研究内容
プロジェクト2:牛の風邪はウイルスと細菌が関係している?「牛呼吸器症候群」に関する研究

<齊藤グループ> 詳細についてはこちらをご覧ください。 https://researchmap.jp/read0156003
プロジェクト1:HIV-1感染症の治療戦略立案と動物モデル構築
プロジェクト2:ウイルス蛋白質の非構造領域による液相制御の解明と治療への応用
プロジェクト3:新型コロナウイルス研究
プロジェクト4:新規ヘパドナウイルスについての臨床研究

第9会場   熊本大学 本園千尋先生

【熊本大学・ヒトレトロウイルス学共同研究センター・感染免疫学分野】
ワクチン開発を目指したウイルス感染症におけるヒト免疫の解明

熊本大学・ヒトレトロウイルス学共同研究センターは2019年に発足した研究教育拠点です。
 センターとして、大学院感染症コースや次世代育成の組織的な活動に力を入れています。感染免疫学分野(上野研究室)では、
1.免疫受容体を介したヒト免疫応答の解析
2.ウイルス感染とヒト宿主免疫の攻防と病原性発現機序の解明
3.サブサハラアフリカ地域でのウイルス感染症コホート研究
を行っています。
タンザニア・ケニア・マレーシア・中国からの留学生が在籍しており、国際色豊かな研究室です。これまでに培ってきたHIV/AIDS研究の研究経験を活かし、現在では新型コロナウイルスに対する免疫応答の研究も展開しており、ウイルスの変化に対してどのようにヒト免疫が応答しているのか?その分子メカニズムの解明を目指しています。これらの知見はワクチン開発に繋がることから、ワクチン開発ならびに感染免疫学に興味のある大学院生を募集します。

第10会場   東海大学 中川草先生

ゲノム情報を活かした未来の医療を創る学生募集!

 技術革新により、個人の全てのDNA、すなわちゲノム配列を調べることができるようになりました。ゲノムは病気へのかかりやすさや薬剤応答性などの個人差を規定しているため、近い将来、個別化医療や予防医療を実現していくために、ゲノム情報解析の技術開発は欠かせません。

 そこで私たちは、大型計算機と高速DNAシークエンサなどを活用してヒトを中心とした様々な生物・ウイルスの遺伝子・ゲノム配列などの生命情報を解読・解析しています。そしてウイルス・細菌感染症の病原微生物の同定や、人の病気のかかりやすさなどの「体質」や顔の形状を予測する技術を開発を中心に、ウイルスの病原性の変化、ガンなどの様々な疾患に関連する”利己的な遺伝子”、ヒトの遺伝的多様性と進化などについて研究を進めています。
 本研究室では主に
1)大型計算機を用いて遺伝子・ゲノム配列などの生命情報を解析(ドライ)
2)DNAシーケンサを用いて大規模な遺伝子・ゲノム配列の解読(ウェット)を行っています。

研究室の教員の構成は、今西規教授、中川草講師、松前ひろみ助教の3名で、その他、研究員や研究技術員(学生含む)、学外からの客員研究員、事務スタッフが在籍しており、賑やかな研究室です。

VR空間での研究室説明会(後半)

第1会場   筑波大学 浦山俊一先生

地球生命システムにおけるウイルスの役割を知りたい。
大学で打ち込む対象にいかがでしょう?

まだ存在しない、筑波大のラボです。2023年度にできるかもしれませんが、できないかもしれません。

ウイルスは病気の原因だと思われていますが、微生物がそこら中にいるように、ウイルスもそこらの生物の中に潜んでいるということが分かってきました。「え?じゃそいつらは何してるの?」ということが気になりますよね。世の中の多くの人が気付いていない、生物の中に潜んでいるウイルス達の役割を見つけ出し「おもろー!(≒地球生命システムって凄い!)」と言わせたい。

そこで、糸状菌の登場です。詳細は調べていただくとして、糸状菌とその中にいるウイルスの組合せは最強です。なので、研究材料としては「糸状菌とその中のウイルス」ですが、見据えているのは自然界の「何しているのかわからないそこら中のウイルス」全部です。この今はまだマイナーなウイルス達の重要性を明らかにすることで、「無名の湘北高校が強豪校を破る」的なウイルス版サクセスストーリーを仕上げたいと願っています。

第2会場   名古屋大学 岩見真吾先生

次世代生命科学を担いたい大学院生、募集🙌
【数理モデル×コンピュータシミュレーション・名古屋大学】
*見学も大歓迎*

異分野融合生物学研究室(iBLab)は、2021年4月より名古屋大学大学院理学研究科生命理学専攻に発足しました。 大学院生、随時募集しています!✨ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

✔︎iBLabって?

iBLab (異分野融合生物学研究室) は、数理モデルとコンピュータシミュレーションを駆使して異分野のクロスオーバーを前提とした生物学研究を進めています。 国内ではじめての、異分野融合生物学の研究拠点です。 数理科学を背景としない生命医科学者を対象とした人材育成にも注力しており、これまでアカデミアおよび産業界に多数のデータサイエンティストを送り出してきました。(https://iblab.bio.nagoya-u.ac.jp/about/education)

国籍・バックグラウンドが多様で自由闊達な雰囲気が特徴です。

第3会場   岡山大学 鈴木信弘先生

善玉・悪玉ウイルスと宿主(植物や菌類)との相互作用を紐解く!

岡山大・植物研の植物-微生物相互作用グループでは、多様なウイルスの顔(善玉性・悪玉性)に注目して、それらウイルスと宿主の相互作用を紐解くことを目標に研究しています。

植物の生育は様々な微生物との相互作用に大きな影響を受けています。植物に病気を引きおこすウイルス、細菌、糸状菌はその生育に脅威となります。一方、悪玉である植物の病原体に感染し、生物農薬として有効利用できそうな善玉ウイルスも見つかっています。私たちはウイルスの多面性に着目し、二者(植物-悪玉ウイルス)、三者(植物-病原糸状菌-善玉ウイルス)間の相互作用・せめぎあいの研究を進めています。最終目的は、植物の健全な育成を図ることです。

主な研究テーマ

・ヴァイロコントロールの確立: 「善玉ウイルスで悪玉カビを制す」とのコンセプトのもと菌類病の予防・治療法を確立します。
・菌類ウイルスの分子生物学 : 動物・植物に継ぐウイルス研究の第三局として菌類プラットホームの確立を目指します。
・ネオウイルス学の構築:新たなウイルスライフスタイルの探索や解明を進めています。
・農生態系におけるウイルス動態を理解する:  作物のウイルス病害の制御やウイルス自身の利活用を目指します。
・植物ウイルスの複製の仕組みを紐解く:  ウイルス複製の仕組みを理解することで、ウイルス病の制御に利用することが期待されます。

第4会場   筑波大学 川口敦史先生

【筑波大学・分子ウイルス学】
新興ウイルスはどのように人類に適応するのか?

新興感染症は、「かつて知られていなかった、新しく認識された感染症」とWHOによって定義されています。つまり、新型ウイルスは突発的に自然界で生み出されたものではなく、あくまでも他の動物種で維持されていた既存の病原体がヒトに適応し、人間界に侵入したものです。私たちはインフルエンザウイルスや新型コロナウイルスを対象に、新型ウイルスが我々の生体防御システムを回避し、ヒトの宿主因子に適応して増殖するメカニズムの解明をめざしています。
主な研究プロジェクトは以下のとおりです。
1. 気道上皮細胞特異的な炎症応答機構
 炎症応答は生体防御に必須ですが、ウイルス感染によって過剰になると肺炎を発症し、病態の悪化(サイトカインストーム)へと繋がります。我々は、気道上皮組織における病原体の認識機構と、ウイルスによる逃避機構を研究しています。また、免疫老化や脂質異常を引き起こす遺伝子改変マウスを用いて、サイトカインストームが誘導されるメカニズムの解析も進めています。
2. ウイルス複製に関与する宿主因子の解析
 ウイルス由来の遺伝子は少なく、多くの宿主由来の因子(宿主因子)を利用することでウイルスは複製します。我々は、ウイルスゲノム複製やウイルス粒子形成に関与する宿主因子を同定し、新型ウイルスがヒトに適応する分子機構の解明をめざしています。
3. 抗ウイルス薬の開発
 低分子化合物やペプチドを用いた抗ウイルス薬の開発を進めています。また、同定した化合物をプローブとして利用したケミカルバイオロジー的解析も進めており、重症度を規定する宿主要因の解明をめざしています。

第5会場   大阪大学 渡辺登喜子先生

ウイルスに国境なし!
ボーダーレスな研究をしてみませんか?

ウイルスはタンパク質の殻と核酸から構成される非常にシンプルで微小な構造体ですが、時にはパンデミックを引き起こし、世界を大混乱に陥れるほどの強大な影響力を発揮することがあります。私たちの研究室では、インフルエンザウイルスや新型コロナウイルスといった人獣共通感染症を引き起こすウイルスに着目し、ウイルスがどのように動物からヒトへと伝播するのか、どうやって病気を起こすのかなどのメカニズムを解明すべく、以下のような研究を進めています。

・インフルエンザウイルスの宿主への適応戦略

・ウイルス感染症に対するワクチンの開発研究

・人獣共通感染症を引き起こすウイルスの研究

第6会場   北海道大学 日尾野隆大先生

【北大 獣医 微生物】
感染症のコントロールに貢献する研究を

 当研究室では、ヒトと動物のウイルス感染症の制御と制圧を目指し、主に人獣共通感染症としてのインフルエンザ、そして家畜の重要疾病として豚熱と牛ウイルス性下痢を対象とした研究を展開しています。当研究室の特徴としては、専門性の異なる教員が集まることで、分子から集団までの広いレベルを研究対象として取り扱っていることが挙げられます。
 分子レベルの研究では、感染症と糖鎖の関係に重点をおいたユニークな研究の展開を目指し、特にウイルスのライフサイクルにおける糖鎖の役割に着目して研究を進めています。 個体レベルの研究では、ABSL3の施設を用い、「そのウイルスの本来の宿主 (=ニワトリとブタ)」を用いた病原性試験を実施することができます。 集団レベルの研究では、ドライとウェットの研究の融合を図り、さらに行政機関を含むステークホルダーと連携することで、実際にウイルス性疾病の制御方策の立案に貢献することを目指しています。

現在実施しているプロジェクトには以下のようなものがあります
– ウイルスの分子疫学調査
– ウイルスの異種宿主間伝播機構と病態発現機序の解明
– ウイルスタンパク質に付加する糖鎖の構造及び機能解明
– 感染症疫学モデルを用いたウイルス感染症のリスク評価と制御方策の提案

第7会場   国立感染症研究所 氣駕恒太朗先生

【研究室スタートアップメンバー募集】
合成ファージで感染症克服を目指してみませんか?

【研究内容】
国際的に脅威となっている薬剤耐性菌感染症やウイルス感染症に対する治療薬創出のため、合成生物学的手法により人工バクテリオファージ(ファージ)を作出しています。ファージは細菌に感染するウイルスですが、改変や合成の自由度の高さから、次世代の創薬モダリティとして注目されています。また研究室では、安全で効果の高いファージ創薬のため、ファージと細菌学の基礎研究も進めています。

以下、具体的な研究内容例です。
● 殺菌力の高いファージ製剤の開発
● 狙った細菌を殺菌する抗菌剤の開発
● 体内で安定なファージ製剤の開発
● ファージによる遺伝子デリバリー法の開発
● 新規ファージ合成法の開発
● ファージ−細菌のせめぎ合いの解明

第8会場   熊本大学 池田輝政先生

【熊本大学・池田研究室】
新型コロナウイルスやHIV-1などのウイルスの基礎研究を一緒に行いませんか?

我々人類の歴史は、感染症、特にウイルス感染症との戦いの歴史です。
​池田研究室では、主に
・宿主が宿主防御因子 (例:APOBEC3ファミリータンパク質) を使って、どのようにしてウイルス (特にレトロウイルスや内在性レトロエレメント) と戦っているのか?
・ウイルスはどのようにしてそれらの宿主防御因子に対して適応・進化していくのか?
を分子・細胞・個体レベルで明らかにしていくことを目標にしています。

また、このような基礎研究から得られた知見を応用し、ウイルス感染症を克服することを目標にしています。
現在は、新型コロナウイルス研究にも力を入れており、新型コロナウイルスの基礎研究も行なっています。

第9会場   名古屋大学 佐藤好隆先生

名古屋大でウイルス研究を一緒にやりませんか?

ヘルペスウイルス、インフルエンザウイルス、コロナウイルス、肝炎ウイルス、HIVなどのウイルスが引き起こす疾患を「制する」ことは、現代社会において極めて重要なチャレンジです。ウイルスを知り、ウイルス疾患を制することができるようなったその先には、ウイルスを遺伝子導入ベクターや腫瘍溶解ウイルスとして「使う」道があります。

私たちの研究室では、Epstein-Barrウイルス(EBV)や単純ヘルペスウイルスなどのヒトヘルペスウイルス、インフルエンザウイルスやコロナウイルスを中心に、ウイルス病原性の分子基盤の解明、ウイルス疾患の診断・制御・治療法の開発など先駆的な研究を行っていきます。 特に、腫瘍ウイルスが疾患発症の引き金となる慢性活動性EBV感染病の研究で世界をリードしています。

VR空間での若手研究者ポスター発表

若手会場 岡山大学 佐藤有希代さん
若手会場 東京大学 伊東潤平さん
若手会場 理化学研究所 小嶋将平さん
若手会場 AICJ中学校 内藤煌瑛さん

学術系Vtuberブース 学術系Vtuber

学術系Vtuberによるブース出展

キャラクターとしてYouTube等で発信を行うVtuber。
現在では2万人近くいると言われていますが、その中でも学術や学びを活動の主軸とするVtuberがブース出展を行います!
ブース展示は前回も好評を博しており、今回はその活動の紹介やモデル展示を行う他、実際に活動を行うVtuberと直接お話しできます。
ぜひぜひ遊びに来て下さい!

出展Vtuber
生命科学Vtuber 高遠頼
バーチャルサイエンスコミュニケーター 北白川かかぽ

細胞展示会場 スポンサードセッション(Lab BRAINS by アズワン)

研究者が更に輝くために

理化学機器の総合商社であるアズワン株式会社が運営する研究者向け情報サイト「Lab BRAINS」は、大学・民間企業・公的研究機関における研究者のための情報提供・コミュニケーションサイトです。

現在は記事発信を中心にメディアとして展開しておりますが、今後は研究者とそれを取り巻くサプライヤーをコミュニティ化し相互に情報交流ができる環境を整備していきたいと考えています。

【その他】

記事発信にご協力いただける若手研究者を随時募集中です。

参加登録

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