tayo community interview: 生物画像解析

TwitterがXになり、ユーザーはBlueSkyとThreadsに分散し、SNSを用いたコミュニケーションは変換期を迎えています。そんな中で静かに存在感を増しているのが、slackやdiscordなどのclosedなオンラインコミュニティです。
特にアカデミアの場合、コロナ禍以前は主にオンサイトの学会で行われてきた学術的な情報交換に関して、オンラインの草の根コミュニティの重要性が増しています。

そんな中で、tayoではオンラインの草の根コミュニティの支援のためのコミュニティページという機能を持っています。

友人と内輪でやっていた勉強会が盛り上がってきたので外部の人も呼んでみたい、マイナー分野をやってると学会が無くて繋がりづらい、でもあんまりオープンにすると変な人が来ないか心配。あと、人は来て欲しいけどHP作ったりするのは面倒。

そんなときに安心・簡単に人を集めることが可能となるのが「コミュニティ」機能です。実名・所属公開したtayoのユーザーのみにコミュニティの参加リンクを共有できるため、割と治安良くオンラインの学術コミュニティを運用できます。

そんな思想で作ったtayoのコミュニティ機能ですが、広報が全然及んでおらず、まだあまり使われておりません。

そこで、そんなコミュニティ機能の活用事例を深堀りすべく、連載インタビュー企画を始動します!

記念すべき第1回のインタビューは、「生物画像解析」の管理者として活躍される河合さんに来ていただきました。
ちなみに、河合さんのキャリアについては企業研究者インタビューにてお聞きしましたので、そちらも是非ご覧ください!

参加者

河合さんの姿

話す人:河合さん

「生物画像解析」コミュニティ管理者。

エルピクセル株式会社と東大の両輪で生物画像解析の研究を行う。

持田の姿

聞く人:持田

最近宇宙の化学を研究し始めた。

生物画像解析とは?

そもそも、生物画像解析ってどういう分野なんですか?

電子顕微鏡や蛍光顕微鏡など、生物関係の画像を上手に解析しようという分野ですね生物画像解析自体は、昔から様々な画像処理技術や機械学習を用いて行われてきています。最近では、近年発達しているAIの技術などを利用して人間が目でみて判断していたことを自動化する取り組みが盛んです。

生体の電子顕微鏡画像とその解析例。こういったマーキングが自動化できるのは素人目に見ても嬉しい。
(Suga S, Nakamura K, Nakanishi Y, Humbel BM, Kawai H, Hirabayashi Y (2023) An interactive deep learning-based approach reveals mitochondrial cristae topologies. PLoS Biol 21(8): e3002246. https://doi.org/10.1371/journal.pbio.3002246)

ただ、生物画像の解析それ自体を研究しているという人は少ないですね。

生物の専門家で画像解析技術に明るい人は多くありません。一方で情報系の人材が画像解析したかったらもっと他に情報学的に面白い問題設定があるので、わざわざ生物という特殊な画像を解析することに興味を持つ方は少ないように思います。

河合さんはその中であえて生物画像解析の道を選んだんですね。

そうですね、元々生物学研究をやっていて、実験だとやっぱり毎日遅い時間まで実験しないといけないとか、大変なんですよね。そういう中でドライ(情報解析中心)な研究をやってみたいという気持ちはありました。

一方で、細胞のカウントなど、絶対自動化できるのに手作業でやり続けてることに対する疑問もあって、自動化・効率化を実現するという観点で生物画像解析が良いなという風に思いました。

そこで生物画像の解析を始めると、色々業界の課題のようなものがわかってきます。
まず、生物画像を解析するためのツールは世の中にいろいろあるんですが、あまり使われていない。
そして、ツールを作っている人たちとそのユーザーも、お互いのことをあまりよく知らない。
結果として、例えば細胞数のカウントのような絶対自動化できる作業をいろんな研究者がずっと手作業でやる状況が続いているのでは、と。

なので、ツールを作る人と使う人、そしてその使い方のノウハウや課題などが集まるコミュニティを作ろうと思いました。

細胞を認識した上で核の有無を分類した結果。こうした選択的なカウンティングデータが自動的に得られるのは嬉しい。(Mori, J., Kaji, S., Kawai, H. et al. Assessment of dysplasia in bone marrow smear with convolutional neural network. Sci Rep 10, 14734 (2020). https://doi-org.utokyo.idm.oclc.org/10.1038/s41598-020-71752-x)

tayoのコミュニティってどうですか?

河合さんはどうしてtayoのコミュニティを使おうと思ったんですか?

もともと生物画像解析の人を集めたコミュニティを作ろうと考えたことはあったのですが、作ったとしても告知や認知が難しいんですよね。

それでうまくコミュニティを作れていなかったのですが、tayoのコミュニティ機能を見つけて、作ってみました。tayoのコミュニティは誰でも作れますけど、ある種認証されたような感じがして良かったですね。

確かに、tayoだと実名が出ますし、コミュニティが荒れる恐れは減りそう。

記念すべき生物画像解析コミュニティ誕生の日

コミュニティはどういう風に運営しているんですか?

活動はすべてSlack上で行っています。

tayoのコミュニティページには、コミュニティの説明を書いて、「メンバーになる」を選択するとSlackのリンクが表示されるようになっています。

現在の生物画像解析コミュニティページ。けっこう参加者がいる。

コミュニティにはどういった層の方がいらっしゃるんですか?

何回かランチミーティングのようなことを行ったことがあるんですが、その際は研究所や企業研究者の方も多くいらっしゃってましたね。アカデミアの人だけじゃなくそういった層にもアプローチできているという驚きがありました。

tayoでの募集だとそういった所までリーチできるんですね!

確かにそうですね。自分はこのコミュニティの中から一緒に仕事をする人が出てきたり、このコミュニティから私が働くエルピクセルでのインターンに行く人もいたり、そういう意味で良い繋がりが生まれてる気がしますね。

本当は月1でランチミーティングなんかもできたら良いんですけど、主催したら何か話す必要もありますし、なかなか大変でできていないですね。

コミュニティ作成当時は勉強会や研究会を定期的に行っていたのですが、最近は僕がなかなか時間を取れなくてそういう会はあまり開けていません。

生物画像解析は参加者が40人となかなか大きなコミュニティになっていると思いますが、今後さらにどうなっていくと思いますか?

まだまだできていないことが多いのですが、勉強会や研究会を進めてより活発に話ができてくると良いかなと思っています。初学者の基本的な質問とかでもとってもウェルカムです。

せっかくの機会なので、このインタビューを機にまた研究会を開きたいです。

おわりに

本記事を見て、生物画像の解析に興味が出た方は是非こちらよりコミュニティへの参加をしてみるのはいかがでしょうか

また、何らかの勉強会やオンラインコミュニティを運営している方は、是非tayoのコミュニティ機能でメンバー募集ページを作成してください!完全無料で、10分もあればコミュニティのページが作れます。

ちなみにtayoで作ったコミュニティはちゃんとGoogle検索で出ます。「生物画像解析」で検索すると割と上の方に
出るのがわかると思います。

あと大好評のtayoデジタル名刺のお申し込みもずっと募集しています。完全無料で家まで届きます。こちらもよろしくお願いします。