tayoで研究室のHP作成サービス始めるよ!!!

株式会社tayoの熊谷です。

tayo.jpという大学院生募集プラットフォームを運営していると、「研究室のwebページ作りたいんだけどおすすめの業者ある?」とか「tayoでやってくれない?」というような問い合わせが来ます。

僕らの会社のミッションとしては本筋ではないので、web制作の部署とか作る気はないけど、tayoの業務の都合で僕らはめちゃくちゃ研究室のHPを見ていて、どんなwebサイトがいいのかはかなりわかってきている。別のweb制作会社と組んで、僕らが監修するとかならアリかも?でも、普通のweb制作会社と組んでもtayoっぽくないし、面白くないよな。。

そんなことを考えていたところ、最高のパートナーが見つかったのでご紹介いたします。

どん!

株式会社Nextwelさんです。ヤッター!

株式会社Nextwelは高齢者や障がいを持つ人に配慮したwebアクセシビリティを得意とするweb制作企業。さらに事業の一部を実際の障がい当事者の方にアウトソーシングすることで、障がい者の雇用問題にまで貢献している超カッコいい会社です。
「障がい者だから」というような妥協が一切なく、単純にweb制作技術が高いのもすごく良いです(大人の事情でNextwelの制作実績は弊社のダウンロード資料に掲載しています)。

とはいえ、「研究室のHP」の制作実績はないので、その辺りのサポートを株式会社tayoのスタッフでやらせていただきます。具体的にはこんな商品をリリースします。

tayo accessible web package

・HP制作要件のコンサルティング / コンテンツのレビュー

・webアクセシビリティスペシャリストによるWebデザイン及び開発

 (業務の一部は3000名の障がい者副業登録ネットワークに委託)

・色覚多様性を持つ方や感覚過敏の方などによるアクセシビリティチェック

さらにざっくり言うとこんな感じ。

  • 基本はカッコいい研究室HPの外注サービス
  • 色覚多様性や感覚過敏にも配慮した、誰にでも見やすい設計が特徴
  • 外注費の一部が障がい者の雇用に繋がる
  • 既存HPからの移行やアクセシビリティのチェック単体など、様々なケースに対応

「学問に、多様性を。」というtayoの思想にもバッチリ合っていて、社会的意義もある、素敵な商材となっています。

研究室のHPを一新したいと思っているPIの方々はお気軽にお問合せを!

この記事では”tayo accessible web package”のリリースに際して、Nextwelの日野代表をお呼びしてアレコレ喋っているので、引き続きご覧いただければと思います!

そもそもアクセシブルデザインとは何か

webアクセシビリティはアクセシブルデザインという大きな概念の一部なので、まずはそこをご説明。

アクセシブルデザインとは

高齢者・障害のある人々の利便性を配慮しつつ、健常者の利便性も確保することを目的として、従来の設計を高齢者や障害のある人々のニーズに合わせ拡張することによって、製品、サービス、建物などがそのまま利用できる潜在顧客数を最大限に増やすための設計ということができます。 (共用品推進機構より)

アクセシブルデザイン自体は広い意味の言葉で、シャンプーとリンスのボトルに触覚だけで区別できるような凹凸を付ける例が有名です。

アカデミアの皆さんに馴染みが深いのは、論文の作図に際しての色覚多様性を持つ方に配慮したユニバーサルカラー対応ですかね。

エルゼビアでは投稿者に色覚多様性への配慮のガイドラインを設けており、2021年にはNature誌でも論文の作図における色覚多様性への配慮に関する記事が出ています。査読コメントで当然のようにユニバーサルカラー対応を求められる時代が到来しつつあるので、皆さん気をつけましょう。

この流れの背景にはSDGsやDiversity & Inclusionのような世の中の流れも当然あるのですが、実際には非常に実務的な話です。Natureの記事の例えを借りると、論文の査読者が3人とも男性で北欧系の場合、1/5の確率で誰かに色覚異常がある」ので、そりゃちゃんと対応した方が論文通りやすいよね、となるワケです。

当然、「研究室のHP」といった情報発信の場でも、「どんな人にでも分かりやすいデザイン」を心がけることは、学問を多様な人々に広めるためには重要です。

とはいえ、その重要性は認識しつつ、「なんか大変そう」「そんな授業も訓練も受けていないのにいきなりやれって言われても・・・」というのが多くの研究者の認識でしょう。

大体のことは、プロに聞くのが手っ取り早い。

というわけで、株式会社Nextwelの日野さんをお招きし、アクセシブルデザインに関するお話を伺います!

tayoとNextwelは神奈川県のスタートアップ支援プログラムの同期。神奈川県さん、いつもお世話になっております!

日野さん登場

オンラインミーティングの様子。日野さんはイケメン。

ご無沙汰しております!まずNextwelってどんな会社なのか、改めて教えてください!

株式会社Nextwel 日野さん: 弊社は「まだ見たことのない福祉へ」を掲げる、福祉領域のスタートアップです。福祉施設を運営したりするわけではなく、webマーケティングやコンテンツ制作を通して障がい者支援を行っているのが特徴です。

めちゃくちゃいいキャッチコピーですよね。とはいえ福祉 x webマーケっていうのがあんまりピンとこないんですが、どういうことなんでしょう。

わかりやすいのは障がい当事者や専門家による情報発信を行うオウンドメディア、「ウェルサーチ」の運営です。お仕事自体が全て福祉関係というわけではなく、さまざまな会社や団体のHPやオウンドメディアの開発・運営などを手掛けています。

特徴としては、障がい者向けのクラウドソーシングサービスと提携していて、業務の一部を障がい者の方にリモートで発注している点ですね。現在、障がい者の平均月収は4.7万円程度なので、業務の発注により障がい当事者の方の生活改善や社会との接点作りに繋げるのが狙いです。

web系のお仕事は人との接点が少ないので障がい者の方に向いていたりするんですか?

外に出ず仕事ができる」「自分の好きな時間に仕事ができるというのはやはり大きいですね。リモートワークが広まるともっと障がい者の方の雇用の幅は広がっていくのではと思っています。障がい者ならではの強みも活かせますし。

「障がい者ならではの強み」って具体的にどんなところなんですか?

わかりやすいのは今回の企画の趣旨でもあるアクセシビリティのチェックなどです。あとは状況次第では短期的に非常に高い集中力を発揮できる方もいます。こちら側としても皆さんにはプロとしてお仕事をお願いしているので、しっかりマネジメントして成果物のクオリティには一切の妥協をしないことを心がけています。

webアクセシビリティ

webアクセシビリティ、ユニバーサルカラー対応ぐらいしか思い浮かばないんですが他にはどんなものがあるのでしょう。

簡単に言うと「障がい・年齢に関係なく、誰にとっても見やすいデザイン」 ということなので、色んなものが含まれます。もちろん、色覚異常の方にも閲覧しやすいユニバーサルカラーを用いたデザインもその一つです。

視覚に関して言えば他にも、感覚過敏の方への配慮、視野狭窄などの弱視の方への配慮、高齢者の方への配慮もありますね。色だけでなく、文字サイズやフォントも重要です。

さらにもう一歩踏み込むと、そもそも目が見えない方はボイスオーバーやスクーンリーダーと呼ばれる読み上げ機能でwebを閲覧しているので、そのような方への配慮も入ってきます。

「どんな風にwebを閲覧しているのか」の想像をどれだけ持てるか、という話ですかね。僕らもwebサービスを作っていてスマホとPCの対応はするので、その延長線上というか。

そうですね。例えば「常に拡大してwebを見ている人」の場合は大きな余白があると画面が真っ白になってしまってどこを見たらいいのか分からなくなったり、多くの人にとっては問題にならない点がピンポイントで問題になることがあります。視覚障がい者の方の場合は「ロボットじゃないかどうか確認」するための画像選択ができず決済ができないこともあります。

なるほど・・・!そこまで気にしていなかったのですごく参考になります。他にはどんな例があるんでしょうか?

私も意外だったのですが、発達障がいを持つ方から「リンクをクリックして新しいタブで開くときはその表示が欲しい」という意見がありました。びっくりして集中力が切れるそうです。

このようなケースは実際対応してみると、そっちの方が健常者にとっても分かりやすいんですよ。障がいを持っているからこそ気付きやすいwebサイトの改善点は色々とあるので、障がい者にとって閲覧しやすいwebサイトの制作は、健常者のweb体験を向上させることにも繋がります。

エルゼビアの5か条

お話聞いていて思ったのが、研究者が作図をするときよりももっと色んなことがwebアクセシビリティの世界では考えられているんだな、という点です。論文の図は必ずしもPCで長時間見続けるものではないので、webデザインと比べるとハードルが低いのかもしれません。例えば、科学出版の最大手エルゼビアは論文出版に際して以下のようなガイドラインを出しています。

エルゼビアの5か条

1)色覚障がい者用のパレットを使用する

2)コントラストを十分に高くする

3)蛍光色の赤-緑の画像では、赤をマゼンタに置き換える

4)多くの無料ツールやAdobe Photoshopのプルーフセットアップ機能を使って、デザインが色弱者の目にどう映るかシミュレーションする

5)「データを表現するのに本当に色が必要だろうか」と自分に問いかける。

科学の世界にもこんな流れがあるんですね・・・!全然知りませんでした。

やっぱりwebの場合とは結構違いますか?

単純にコントラストを高めようとして極端な色使いにすると今度は感覚過敏の方にとって見にくくなるなど、web制作の場合はそこまで単純ではないですね。

3) はライフサイエンスだとよく出てくる図なのですが、やっぱり蛍光色ってよくないんですかね?

色覚多様性を持つ方以外にも、蛍光色は苦手な人が多いです。視覚過敏(感覚過敏)の方からは「眩しすぎる」というような意見が出ます。一方、マゼンタやアイボリーなどのアースカラー系は好かれることが多いですね。アースカラー系のカラーパレットを使って、コントラストを意識しながらデザインすると、比較的簡単にユニバーサルカラー対応ができるのではないでしょうか。

カラーパレットだけでなく、コントラストも重要な要素 by 株式会社Nextwel

4)にあるように、最近ではアクセシビリティのチェックツールも色々あるんでしょうか。

webの世界だとGoogleのLighthouseが有名で、webアクセシビリティのチェックを自動でやってくれます。とはいえ当事者の方にお話を聞くと必ずしもアクセシビリティのスコアが高いwebサイトが見やすいわけではないようなので、まだまだ人の手によるレビューは必要かな、と思います。

「webアクセシビリティ対応できます!」というweb制作会社は結構あるんですが、実際には「webアクセシビリティのJIS規格に則っていて」「Lighthouseのスコアが高い」webページが作れる、というケースが多いです。Nextwelのように、当事者の声を聞き入れながらデザインを改善しているところはほとんどないです。

参考: tayo.jp のLighthouseによる診断。アクセシビリティのスコアは高いがパフォーマンスは壊滅的。改善しなければ・・・
まとめ

・webサイトの閲覧方法は人それぞれ。どんな閲覧方法でも見やすい設計を目指すのがwebアクセシビリティ

・最終的には当事者の意見を聞くのが一番大事

・論文の作図においてはユニバーサルカラーの利用やコントラストが重要。そんなに難しくないのでみんなしっかり対応しようね!

・論文の図のユニバーサルカラー対応なども、ご依頼いただければ検討しますのでお気軽にお問合せを!

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